くらしのワンポイント(2021年12月)
ブリーダーからペットを購入したときのトラブルについて
コロナ禍で“おうち時間”が増え、新たに家庭にて飼育される犬や猫が増えています。
一般社団法人ペットフード協会の調査によると、1年以内に新たに飼われた犬や猫は合計約95万頭(犬:約46.2万頭、猫:約48.3万頭)で、過去5年間で飼育頭数、増加率ともに最も多くなっています。
こうした中、全国の消費生活センター等には「購入後に先天性の病気が判明した」「キャンセルを申し出たところ、高額な違約金を請求された」などのペットの購入に関する相談が寄せられており、その中でも、ブリーダーから直接ペットを購入した際にトラブルに遭うなど、ブリーダーが関連するペットの相談件数が増加しています。
相談事例
〈事例1〉購入時に健康状態の説明は一切なく、後日先天性の心臓病が判明した
先月、ブリーダー紹介サイトで好みのチワワを見つけた。ブリーダーと数回やり取りしたところ、「まだ掲載していない希少な毛色のチワワがいるので見に来ないか」と連絡があり、ブリーダーを訪ねた。狭いマンションの一室でケージが山積みになっており、子犬が多数暮らしていた。子犬を見せてもらうと、元気に走り回っていた。子犬が気に入ったので、その場で約80万円を支払い、引き取ったが、健康状態の説明や契約書の交付は一切なく、領収書を渡されただけだった。
数日後、ワクチンを打つために動物病院に行くと、「この子犬は先天性の心臓病を患っている。病気だから他のチワワより小さいし、1年以上生きられないだろう」と言われた。ブリーダーに連絡すると「返品してくれれば全額返金する」と言われたが、愛着が湧いているので返品ではなく治療費を支払う対応をとってほしい。どうしたら良いだろうか。
〈事例2〉ブリーダーと連絡を取る手段がなくなり、血統書が受け取れない。
半年前インターネット広告を見て実際にブリーダー宅で子猫を購入した。血統書は去勢したら渡される約束になっていた。来週去勢予定なので、ブリーダーに電話をしたが現在使われていないとのアナウンスが流れた。SNSのアカウントも退会されており、ブリーダー紹介サイトからも情報が削除されていた。連絡方法がなく困っている。
〈事例3〉生まれる前の犬を解約したところ、高額な違約金を求められた。
2週間前にインターネットで、生まれる前の豆柴犬を予約販売するサイトを見つけた。1週間前にブリーダーを訪ね内金6万円を支払って契約した。豆柴犬本体は60万円で基本訓練やマイクロチップ装着費用、避妊手術代で合計金額は約80万円だった。契約後自宅に帰ったところ、家族に反対されたので解約することにした。その旨を2日後にブリーダーに申し入れたところ、契約に従い契約代金総額の3割である約25万円を違約金として支払うよう求められた。確かに契約書にはその旨の記載はあるが、消費者にとって不利な条項だと思う。何とかならないか。
消費者へのアドバイス
- ブリーダーからペット購入を検討する際は、まずはブリーダーが第一種動物取扱業に登録しているかどうかを確認してください。ブリーダー紹介サイトやSNSといったインターネットを含めた広告にも、業者名、事業所の住所等の情報を掲載することが義務付けられているので、確認するようにしましょう。
- 現物を見る前に予約金を支払うことにはリスクが伴います。実際に見たらイメージが違った、都合により買えなくなった等、自己都合のキャンセルの場合は返金されないことが多くあります。キャンセルした際は支払った金銭は返金されるのかなど、キャンセル時の対応について確認してから支払うようにしましょう。「予約金を支払えば他の人に渡らないようにする」といわれることもありますが、焦って決めるのではなく、本当に自分が飼いたいのか、飼うことができる環境にあるのか、慎重に検討してからにしましょう。
- 購入する際は必ず事務所へ出向き、直接動物の状態を確認するとともに、動物愛護管理法に定める対面での説明をブリーダーからしっかりと聞いたうえで、現物に相違がないか確認し、よく理解してから契約するようにしましょう。また、契約書を交わすようにし、購入後に問題があった場合の保証内容や、困ったことがあったらどこに連絡をすればいいのか等も確認しましょう。
- ブリーダー紹介サイトの利用にあたっては、利用規約(トラブル発生時の運営事業者の対応など)や禁止行為、トラブルが発生した場合の保証制度などよく確認・理解したうえで利用しましょう。
- ペットは購入したら終わりではなく、飼い主はその命に責任をもって飼育をしなければなりません。将来においても飼い続けることができるのか検討したうえで購入しましょう。契約する際は、自らの住居環境や生活環境に加え、家族の意思やアレルギーの有無等も確認し、本当にペットを迎え入れることができるのかよく考えてください。見た目の可愛さに一目ぼれして安易に購入することは避け、冷静に考えましょう。
- 不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談してください。
トラブルの相談
市消費生活センター 電話:53-0505
毎週月曜から金曜日 午前9時から正午、午後1時から午後4時30分
(祝休日および年末年始を除く)
消費者ホットライン
電話:188(イヤヤ!)
このページに関するお問い合わせ
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