くらしのワンポイント（2021年3月）

「誰でも稼げる！」といううまい話に注意しましょう！

インターネット通販等で仕入れた商品をフリマサイト等で通販する「転売ビジネス」に関する相談が全国の消費生活センター等に寄せられています。2019年度の相談件数は1,411件と2015年度の548件に比べ約2.6倍増加しております。その中でも20歳代の割合が増加傾向にあり、2015年度は全体の21％でしたが、2019年度には42％まで増加しました。

相談事例

【事例1　返金保証もあると言われて高額なサポート契約をしたが商品は売れず返金もされない】

インターネットで「ネットビジネス」と検索し、「安く仕入れた商品をフリマサイトで高値で転売する」という副業を紹介する事業者を見つけ、1万円でガイドブックを購入した。その後、事業者から連絡があり「この副業にサポートがついている50万円のコースがある」「万が一、儲からなかったら返金保証もある」と説明され、クレジットカードで10万円支払い、残り40万円を銀行口座に振り込んだ。

事業者のサポート通りにフリマサイトに商品を出品したが、買い手がつかず利益が出ないまま仕入れ先の費用だけがかさんでいる。事業者に返金保証について問い合わせたが、「あなたは返金保証の対象ではない」と言われた。返金保証には指定商品の販売をすること、フリマサイトで150人以上からフォローされているなどが条件のようで実現できそうにない。返金して欲しい。

 

【事例2　転売ビジネスのノウハウを借金させられて契約したが、役に立つ内容ではなかった】

私は学生だが、友人からネットビジネスで稼げる話があると誘われ、カフェで会うことになった。出向いたところ友人の他にネットビジネスのノウハウを教えるという男性がいた。「仕入れたものをインターネットオークションやフリマサイトで売れば儲かる」「ビジネスを始めるには50万円でノウハウを教えてもらう必要がある」という話をされた。お金がないと言うと、働いていることにしてお金を借りればよいと消費者金融に連れていかれ、指示されるままにお金を借りた。お金はその場で男性に手渡したが、契約書などの書面は何ももらわなかった。数回男性に会って稼ぐためのノウハウを聞いたが、あまり役に立つ話ではなかった。解約して全額返金してほしいが、契約先の男性のSNSアカウントの情報しか分からず、メッセージへの返信もなくなってしまった。

 

消費者へのアドバイス

• 「転売ビジネス」に関する情報は、インターネット上の広告、ブログ、SNS、動画配信サイトなど様々な媒体で見られます。簡単に高収入を得られる副業などと紹介されていることもありますが、広告に記載されている金額ほど稼げなかったというトラブルが絶えません。また、契約のきっかけが友人・知人やSNS上の知り合いからの紹介という場合でも、同様のトラブルが生じています。「簡単に儲かる」などの広告や友人等からのうまい話を鵜呑みにしないようにしましょう。
• 転売ビジネスで稼ぐために必要と言われて、ノウハウ、サポート、コンサルティングなどの高額な契約をさせる手口が見られます。事業者から「すぐに元が取れる」「手厚い個別サポートがある」「儲からなくても返金保証がある」などと説明されても、安易に信用せず、必要がなければ「契約しない」ときっぱり断りましょう。契約したくないときに「お金がない」というと事業者からクレジットカードでの支払いや借金をするように勧められて、勧誘を断り切れなくなってしまう場合もありますので、「契約しない」「やらない」などと明確に伝えるようにしましょう。
• 転売ビジネスでは、事業者へ支払うサポート料等のほか商品を仕入れるための資金やフリマサイト等での販売手数料、送料等の更なる費用が必要となります。また仕入れた商品が第三者に確実に買ってもらえるかどうかは分かりません。こうした負担やリスクについてあまり説明されず「この転売ビジネスで平均〇〇万円は稼いでいる」「絶対に儲かる」などの説明ばかりされるようなケースには注意が必要です。また、リスクのない方法としてフリマサイト等で禁止されている無在庫販売を勧められるケースもみられます。フリマサイト等での禁止事項のほか、商品自体の転売が禁止されているものではないか、販売に許可が必要な取引ではないかなどにも気をつけましょう。

 

契約の取消やクーリング・オフ等ができる場合もありますので、事業者とトラブルになった場合は、早めに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう。

 

トラブルの相談

市消費生活センター　電話：53-0505

毎週月曜から金曜日　午前9時から正午、午後1時から午後4時30分

（祝休日および年末年始を除く）

消費者ホットライン

電話：188（イヤヤ！）