施政方針

ページID 1003836  更新日 令和5年6月10日

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令和5年市議会6月定例会における施政方針全文

 本日ここに、令和5年江南市議会6月定例会が開会されるに当たり、私の施政に対する方針を申し述べまして、市議会議員各位並びに市民の皆様の深いご理解とご協力をお願い申し上げるものでございます。
 私は、このたびの市長選挙におきまして、市民の皆様の厳粛な信託を賜り、引き続き3期目の市政を担わせていただくことになりました。改めて、この重責に対し身の引き締まる思いであります。
 私は、もっと住みたいと思える江南市を市民の皆様とともに築き、そして未来につないでいくために、今後のまちづくりの方向性を示し、その実現に向けて取り組んでいくことこそが私の使命であると考えています。これからも、私の市政に対する基本方針である「市民の皆様との対話」を大切にし、市民の皆様の声をしっかりと聴き、粉骨砕身、市政に取り組んでまいる所存であります。
 さて、日本だけでなく世界的な潮流として、DXの推進や脱炭素社会の構築、SDGsの推進などの取り組みが進められ、社会や経済の形も大きく変容してきております。
 本市におきましても、こうした社会情勢を的確にとらえ、今年度、第6次江南市総合計画の後期基本計画を策定してまいります。計画策定と併せて刷新いたします「市長の戦略政策」につきましても、行政だけでなく官民連携や地域連携も推進し、一つでも多く実現することにより、すべての世代に実感できるしあわせをお届けしたいと考えております。市政運営にあたりましては、市民の皆様との対話や様々な企業、団体等との連携により、社会構造の変革に対応しながら、誰一人取り残さない持続可能なまちづくりを進めてまいります。
 今後の取り組みといたしまして、まず大きく3つ述べさせていただきます。
 一つ目に「にぎわいと住みよさの向上」といたしまして、新型コロナウイルス感染症の影響などから着手を見送っておりました曽本地区新工業用地整備につきましては、事業着手に向けて、関係機関との協議を進めてまいります。また、「ゼロカーボンシティ江南」の推進として、公用車への電気自動車の導入や、市役所本庁舎及び消防庁舎のLED化などを進め、脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。さらには、布袋駅周辺整備に続き、江南駅周辺の都市基盤整備に向けた準備や、新ごみ処理施設西側エリアの活用案の決定など、賑わいや憩いを創出する拠点整備を図ってまいります。
 二つ目に「全世代への安心としあわせの提供」といたしまして、老人福祉センターの建替えに伴いまして、児童館や国際交流の機能などを統合し、多世代多文化交流施設を整備してまいります。また、すでに保育園では、使用済みのおむつ回収を始めておりますが、今後はさらに希望される保護者向けにおむつのサブスクリプションサービスの導入や、保育園を始めとしたこども関係施設の利便性の向上を図り、子育て世代の負担軽減と満足度向上を目指してまいります。さらには、消防体制の充実を図る北部拠点の形成や、重層的支援体制の整備による地域共生社会の実現に取り組んでまいります。
 三つ目に「生きがいやコミュニティの創出」といたしまして、SDGsでつながるまちづくりの実現に向けたSDGs登録制度の構築や、ジェンダー平等、障害者への就労支援や生きがい創出などを推進し、誰もが暮らしやすい社会の実現に向けて取り組んでまいります。また、自治会の負担軽減やeスポーツの活用機会の拡大なども推進し、個人でも団体でも様々な人がそれぞれに生きがいを持って暮らせるまちの実現に取り組んでまいります。

 さて、我が国の経済は、内閣府による5月の月例経済報告では、景気は、緩やかに回復していると報告されております。
 こうした状況の中、令和5年度の本市の財政は、一般財源の根幹をなす市税は全体として増額すると見込んでおります。しかし、少子・高齢化への対応や多額の財政負担が必要となる大型事業を抱えていることから、健全な財政運営を継続するために、「選択と集中」により経営資源を確保しながら、市民ニーズに沿った事業へと見直しを行い、計画的で効率的な財政運営を進めていく必要があります。

 こうした状況の中、令和5年度における主な施策につきまして、第6次江南市総合計画に掲げます5つの分野別に方針を述べさせていただきます。
 

まちづくり分野

 第1は、まちづくり分野でございます。
 はじめに、『快適な生活環境の維持』についてでございます。
 「環境保全への意識の高揚」としましては、地球温暖化対策として、住宅用ゼロカーボン推進設備設置費補助制度の対象設備に太陽熱利用システムを追加することにより、再生可能エネルギーの利用促進を図り、ゼロカーボンシティの実現を目指してまいります。
 次に、『限られた資源の活用』についてでございます。
 「ごみ減量と再利用の促進」としましては、専用のインターネットサイトを通して、廃棄直前の食品を安く売り買いすることができるフードシェアリングサービスを導入し、食品関連事業者、市民、市が連携して食品ロスの削減を進めてまいります。
 「ごみの適正な収集、運搬、処分」としましては、資源ごみの回収拠点として、新たに市の南部地域にリサイクルステーションを整備し、排出の利便性の向上を図ってまいります。
 また、合併処理浄化槽への転換に係る補助額を増額することにより、転換を促進し、水環境の保全や公衆衛生の確保を図ってまいります。
 さらに、新ごみ処理施設建設に係る尾張北部環境組合に対する負担金について、基金を積み立て、財政負担の平準化を図ってまいります。
 次に、『生活にゆとりとうるおいを生む公園緑地推進』についてでございます。
 「都市公園等の整備推進」としましては、久昌寺公園の拡張整備を進めてまいります。
 次に、『生活を支える道路の整備と維持管理』についてでございます。
 「道路の整備及び維持管理」としましては、道路施設の健全性を確認するため定期点検を実施し、必要に応じて修繕を行うとともに、主要市道を健全に保つよう計画的に更新してまいります。
 次に、『安全な水の安定供給』についてでございます。
 「水道事業の健全な経営」としましては、水道事業を安定的に継続していくため、令和7年度以降の水道料金について、上下水道経営審議会にて検討してまいります。

ひとづくり分野

 第2は、ひとづくり分野でございます。
 はじめに、『地域に開かれた快適で安全な学校づくりの推進』についてでございます。
 「学校給食の提供」としましては、保護者の経済的負担を軽減することを目的に、学校給食費の一部無償化について検討を進めてまいります。
 次に、『生きがいをもって暮らせる生涯学習環境の整備』についてでございます。
 「生涯学習活動の推進」としましては、今後の生涯学習の方向性を定める第3次江南市生涯学習基本計画の策定に向け、市民意識調査等を実施してまいります。
 次に、『地域が支える子育て支援の推進』についてでございます。
 「働きながら子育てする家庭への保育・育児支援」としましては、教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の総合的かつ効率的な提供体制を確保することを目的に、第3期子ども・子育て支援事業計画の策定に取り組んでまいります。
 また、民間幼稚園の認定こども園への移行に向けた園舎の増築及び改修に係る整備費に対し補助を行うとともに、市立あずま保育園及び中央保育園を統合することとし、その整備・運営事業者を募集・選定し民営化することで、教育・保育の選択肢を増やすとともに、待機児童の解消、老朽化した公共施設の更新費用の縮減を図ってまいります。
 「子育てに困っている家庭への経済支援等」としましては、食費等の物価高騰に直面する低所得の子育て世帯に対し、その実情を踏まえた生活の支援をするため、子育て世帯生活支援特別給付金を支給してまいります。
 「遊びを通じた楽しく豊かな子育ての実現」としましては、放課後児童健全育成手数料収納管理システムを導入し事務の効率化を図るとともに、学童保育と放課後子ども教室のより効果的な実施を検討してまいります。
 

しごとづくり分野

 第3は、しごとづくり分野でございます。
 はじめに、『地域の雇用を支える産業の育成支援』についてでございます。
 「商工業の活性化と企業誘致の推進」としましては、エネルギー価格等の物価高騰の影響を受けた事業者に対し、支援策を講じるとともに、企業誘致のさらなる推進を図るため、曽本地区における新たな工業用地の整備に向け、引き続き新工業用地整備事業基金の積み立てなどを行ってまいります。
 

ちいきづくり分野

 第4は、ちいきづくり分野でございます。
 はじめに、『地域に住み続けられる支援の推進』についてでございます。
 「介護保険サービスの提供、介護保険事業の適正運営」としましては、介護保険サービス提供体制の整備を促進するため、地域密着型サービス事業者が整備する施設等に対し、補助を行ってまいります。
 次に、『障害者が生き生きと暮らせる支援の推進』についてでございます。
 「地域福祉の推進」としましては、第1次江南市地域福祉計画が令和5年度に最終年度を迎えることから次期計画を策定するとともに、地域共生社会を実現するため、重層的支援体制の整備を進めてまいります。
 次に、『地域で支え合う生活支援のための体制の確保』についてでございます。
 「被災者及び生活困窮者等への自立支援」としましては、社会への不安や就労意欲の低下などにより、就労に向けた準備が整っていない生活困窮者を対象に、就労するための基礎能力の形成を計画的に支援してまいります。
 次に、『誰もが活躍できる健康な生活の確保』についてでございます。
 「健康の増進・保持」としましては、若年がん患者の在宅療養における経済的負担の軽減を図るため、在宅サービス利用料等の一部を補助してまいります。
 「感染症予防」としましては、帯状疱疹予防接種に要する費用の経済的負担の軽減を図るため、接種費用の一部を助成してまいります。
 「母子保健」としましては、産後うつ予防の強化を図るため、新たに産婦健康診査2回目の助成を実施してまいります。
 次に、『安心・安全な地域づくりの推進』についてでございます。
 「交通安全及び防犯施策の推進」としましては、特殊詐欺防止用電話機器購入費補助金制度を創設することで、迷惑電話による高齢者への被害を未然に防止し、安心・安全な地域づくりを推進してまいります。
 次に、『市民の安心を守る消防・救急体制の充実』についてでございます。
 「消防体制の充実」としましては、当初予算に計上している救助工作車と災害対応特殊救急自動車に、消防ポンプ自動車1台を加え、計3台の車両更新を行ってまいります。
 また、大地震発生時においても消防水利を確保するため、経年した防火水槽の内部に耐震性能を有した鋼製タンクを設置し、早期に防火水槽の震災対応強化を図ってまいります。
 「市民・事業者の防火意識・防火体制の向上」としましては、住宅用火災警報器の重要性を広く周知するとともに、新たに補助制度を設け、設置支援を積極的に実施してまいります。
 

行政分野

 第5は、行政分野でございます。
 はじめに、『地域協働の推進』についてでございます。
 「地域の魅力の発掘・発信」としましては、市公式LINEのセグメント配信を実施し、一人一人のニーズに即した行政情報を発信してまいります。
 「地域協働の促進」としましては、ふるさと納税のポータルサイト数を増やし、江南市の魅力をさらに広く展開するとともに、江南市へのふるさと意識の高揚を図ってまいります。
 次に、『総合的な政策の推進と職員の人材育成』についてでございます。
 「中長期的な政策立案の推進」としましては、令和6年6月1日に市制70周年を迎えるにあたり、令和5年度は、ポスターやのぼりなどのPR資材を作成いたします。また、キャッチフレーズの募集やロゴマークの投票を行い、市民の皆様への周知啓発を図ってまいります。
 次に、『市民相談・窓口サービスの充実』についてでございます。
 「窓口サービスの向上」としましては、身近な方を亡くされた遺族の方が、必要な手続きをワンストップで行える「おくやみコーナー」を設置し、窓口での負担軽減を図ってまいります。
 次に、『男女共同参画社会の形成』についてでございます。
 「男女共同参画社会の形成」としましては、ジェンダーにとらわれず多様な性への理解と共感が広がることを目的に「パートナーシップ制度」を導入するなど、第3次こうなん男女共同参画プランに基づき、自分らしく生きることができる社会の形成を進めてまいります。
 

 最後に、全分野にわたる取り組みとして、新型コロナウイルス感染症や昨今の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者に対し、きめ細やかな支援を実施するために交付される、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、支援を必要としている方に、的確かつ速やかに支援を展開してまいります。
 生活者支援といたしましては、低所得者世帯を対象として、1世帯あたり3万円の支援給付金を支給いたします。子育て世帯を対象として、9月分から3月分までの学校給食費の負担軽減を図ります。省エネ家電等への買換え促進として、省エネ冷蔵庫等への買換えに対し補助を行います。その他にも、全世帯を対象として、水道料金の8月分から11月分までの基本料金の負担軽減を図ります。
 事業者支援といたしましては、エネルギー価格等の高騰分を支援し、事業の安定化を図るため、介護サービス事業所、障害福祉サービス等事業所、医療機関、認可保育所等、市内中小企業者等、公共施設の指定管理者を対象として、支援金・応援金を交付いたします。

 以上、私の施政に対する所信を述べさせていただきました。
 ここ数年のコロナ禍にあって、社会の雰囲気も閉塞感が漂い、明るい話題も少なかったように感じます。しかし、5月から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけも5類相当とされたことにより、1日でも早く、以前のような日常を取り戻してまいりたいと考えております。
 そして、市長公約に掲げました様々な政策をいち早く事業化し、江南市の社会や経済に活力を取り戻し、すべての市民の皆様に、住みよさ・しあわせ・生きがいを実感していただき、明日が今日より楽しい一日となるよう、市長として強い想いを持って、市政運営に全力を傾注してまいります。
 市議会議員各位並びに市民の皆様の深いご理解とお力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げまして、私の施政方針とさせていただきます。
 

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