検診・健康診査の詳細
胃がんとは
胃がんのリスク要因は多くありますが、中でも、喫煙や食生活などの生活習慣や、ヘリコバクターピロリ菌の持続感染などが胃がん発生のリスクを高めると評価されています。食生活については、塩分の多い食品の過剰摂取や、野菜、果物の摂取不足が指摘されています。
胃がんは40歳代後半以降に罹患率が高くなりますが、一昔前の同年代の人々と比べると、人口10万人あたりの罹患率は男女とも大きく減ってきています。
がんで亡くなった人の数では、全がんの中で胃がんは2018年時点で男性では2位、女性では4位ですが、以前と比べると、胃がんで亡くなる人の割合は減ってきています。
胃内視鏡検査(胃カメラ検査)とは
内視鏡を口や鼻から挿入し、直接胃の内部を観察する検査です。胃の中の小さな病変を直接見つけることが可能で、胃部エックス線検査(バリウム検査)でがんなどが疑われた場合でも、確定診断をつけるための精密検査として行われます。ただし、注射や麻酔によるショック、出血や穿孔(せんこう:胃の壁に穴が開いてしまうこと)といったことがまれにあるため、検査の準備と内容については、検査前に担当医にご確認ください。
胃透視検査(バリウム検査)とは
胃透視検査は、バリウム(造影剤)と発泡剤(胃をふくらませる薬)を飲み、胃の中の粘膜を観察する検査です。胃がんを見つけることが目的ですが、良性の病気である潰瘍やポリープも発見されます。検査の感度(がんを見つけることのできる頻度)は、70~80%です。検査当日は朝食が食べられないなど、検査を受ける際の注意事項があります。検査に伴って起こりうる有害事象としては、検査後の便秘やバリウムの誤嚥(ごえん)などがあります。
肺がんとは
肺がんは肺の気管、気管支、肺胞の一部の細胞が何らかの原因でがん化したものです。肺がんは喫煙との関係が非常に深いがんですが、たばこを吸わない人でも発症することがあります。周囲に流れるたばこの煙を吸う受動喫煙により発症リスクが高まることもわかっています。
肺がんの罹患率、死亡率は、ともに40歳代後半から増加し始め、高齢ほど高くなります。死亡率の年次推移は、1960年代から80年代に急激に増加しましたが、90年代後半から男女ともほぼ横ばいとなっています。
罹患率、死亡率は男性の方が女性より高く、女性の2倍から3倍にのぼります。がんで亡くなった人数を部位別に多い順に並べると男性は肺がんが第1位となっています。
江南市においても、肺がんは罹患率・死亡率ともに高いがんのひとつとなっています。
胸部エックス線検査とは
胸部エックス線検査で肺にがんを疑う影があるかどうかを調べます。
エックス線検査の中で最も簡単な検査方法で、肺や心臓、肺の間にある縦隔などの器官の病気について、様々な情報を得ることができますので、幅広く行なわれています。
喀痰採取法とは
がん組織からはがれ落ちて痰に混じって出てきたがん細胞を検出する検査です。1回だけの検査ではがん細胞を発見しにくいため、3日間かけて痰を採って検査します。
大腸がんとは
大腸がんは、長さ約2mの大腸(盲腸・結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいといわれています。
大腸がんの罹患率は、40歳代から増加し始め、50歳代で加速され、高齢になるほど高くなります。
大腸がんの罹患率、死亡率はともに男性の方が高く、部位別では結腸がんより直腸がんにおいて男女差が大きい傾向があります。
大腸粘膜の細胞から発生し腺腫(せんしゅ)という良性のポリープの一部ががん化して発生したものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。
採便法とは
がんやポリープなどがあると、大腸内に出血することがあるため、その血液を検出する検査です。大腸がん検診の代表的な検査で、症状がない健康な人から、大腸がんの精密検査が必要な人を選び出すためには、最も有効で負担の少ない検査法です。
前立腺がんとは
前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。最近、遺伝子の異常が原因といわれていますが、正常細胞がなぜがん化するのか、まだ十分に解明されていないのが現状です。
前立腺がんは早期に発見すれば手術や放射線治療で治癒することが可能です。また、比較的進行がゆっくりであることが多いため、かなり進行した場合でも適切に対処すれば、通常の生活を長く続けることができます。
PSA検査とは
前立腺がんになると血液中のPSAという物質が増加するため、血液中のPSAの値を測定することが必須の検査となっています。
PSA基準値は、全年齢で0~4ng/mLと考えられています。PSA値が4~10ng/mLをいわゆる「グレーゾーン」といい、25~40%の割合でがんが発見されます。また、4ng/mL以下でも前立腺がんが発見されることもあります。100ng/mLを超える場合には前立腺がんが強く疑われます。
子宮頸がんとは
子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部とよばれる部分から発生します。子宮の入り口付近に発生することが多いので、普通の婦人科の診察で観察や検査がしやすいため、発見されやすいがんです。また、早期に発見すれば比較的治療しやすく予後のよいがんですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要といえます。
子宮頸がんの罹患率は、20歳代後半から40歳前後まで高くなった後横ばいになります。近年、罹患率、死亡率ともに若年層で増加傾向にあります。
細胞診とは
がん細胞は、正常の細胞と異なった形や色合いをしています。がんの部分からこすりとった細胞や、がんから落ちてきたものをガラス板に塗り、色素で染めて顕微鏡で見ると、がん細胞を見つけることができます。この診断法が細胞診です。
子宮口の付近を綿棒、ブラシ、またはヘラのような器具でこすって細胞を採取し、顕微鏡で正常な細胞かどうかを確認します。この検査で生じる痛みは、通常それほど強いものではありません。
肝炎ウイルスとは
肝炎とは、肝臓の細胞に炎症が起こり、肝細胞が壊される病態です。その原因には、ウイルス、アルコール、自己免疫等がありますが、日本においては、B型肝炎ウイルスあるいはC型肝炎ウイルス感染による肝炎がその多くを占めています。
肝炎ウイルスに感染していても検査をできるだけ早く受けて感染を知り医療機関で適切な治療を受けることで肝硬変や肝がんといった深刻な症状に進行するのを防ぐことができます。
乳がんとは
乳がんの多くは乳管から発生する「乳管がん」と、小葉から発生する「小葉がん」があります。乳管がん、小葉がんは、乳がん組織を顕微鏡で検査(病理検査)すると区別できます。この他に特殊な型の乳がんがありますが、あまり多くはありません。
乳がんは、30歳代から増加をはじめ、40歳代後半から50歳代前半でピークを迎え、その後は次第に減少します。
マンモグラフィとは
病変の位置や広がりを調べるために行われる、乳腺専用のエックス線検査です。少ない被曝(ひばく)線量で乳房組織を鮮明に映し出すために、板状のプレートで乳房を挟んで圧迫し、うすく引き伸ばして撮影します。そのため、乳房を圧迫される痛みがありますが、視診・触診で発見しにくい小さな病変も見つけることができます。
画像の性質上、乳腺の発達している若い人では、病変が存在していても見つかりにくいことがあります。マンモグラフィで高濃度乳房とされる症例(乳腺の密度が高く、マンモグラフィで白く見える部分が多い状態)では、病変が見えにくいとされているため、高濃度乳房にあてはまる方は、自己検診でしこりや乳汁分泌などの症状があるなど、少しでも異変を感じたら早めに医療機関を受診してください。
乳房超音波検査とは
乳房内の病変の有無、しこりの性状や大きさ、わきの下など周囲のリンパ節への転移の有無を調べます。乳房の表面から超音波を発生する機器をあてて、超音波の反射の様子を画像で確認する検査です。
骨粗しょう症とは
骨の強度が低下して、骨折しやすくなる骨の病気を「骨粗しょう症」といいます。骨粗しょう症により骨がもろくなると、つまずいて手や肘をついた、くしゃみをした、などのわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。
骨粗しょう症による骨折から、介護が必要になってしまう人も少なくありません。
骨粗しょう症は痛みなどの自覚症状がないことが多く、定期的に骨粗しょう症検診を受けるなど、日ごろから細やかなチェックが必要です。
超音波法とは
骨粗しょう症検診の超音波法は定量的超音波測定法といい、超音波が骨の中を通過する超音波伝播速度と超音波が減退する程度を示す超音波減退率を測定して骨評価を行う方法です。
この検査のみで骨粗しょう症の診断をすることはできませんが、人間ドッグや検診の場では広く普及しており、骨粗しょう症検診のスクリーニング(予備検査・代替検査)に用いられています。
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