かぜ症候群について

ページID 1004106  更新日 令和6年3月28日

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一年のうちで最もかぜをひく機会が多くなるのは、寒い冬の季節です。以下に"冬を楽しく過ごすために"かぜなどのウイルス疾患に対する対処法、注意点など、また冬に多いやけどについてお話させていただきます。どうか今年もかぜに負けない体を作り、寒い冬をのりこえていきましょう。

かぜ症候群とは

かぜをひきましたとよく外来を受診されますが、正確には"かぜ"という独立した病気はありません。一般にはウイルスなどの感染により鼻水、咳、のどの痛み、発熱などの症状を認めるものをまとめて"かぜ症候群"と呼んでいます。

かぜ症候群の原因

かぜ症候群の原因の8割から9割は種々のウイルスによる感染です。一部は細菌、マイコプラズマなどの微生物の感染が原因となります。かぜ症候群を引き起こすウイルスは200種類以上あるとされています。特に冬は空気の乾燥と人の免疫力を低下させる寒さの2つの条件がそろうため、ウイルス、細菌などが上気道(鼻腔、のど)で増殖しやすく、かぜにかかりやすくなります。

かぜ症候群の予防

多くのウイルスは手などを介して口、鼻などから体内に侵入しますので、感染予防は手洗い、うがいが基本となります。またウイルスと戦う免疫力を高めることも大切です。日ごろからバランスの取れた食べ物、十分な睡眠をとるように心がけましょう。
適度な運動は代謝を高め、ストレスも解消し、ウイルスに対する抵抗力を高めます。
しかしながら感染は接触することによりおこりますので、まったくかからないようにすることは不可能です。子どもさんは時々かぜをひきながら抵抗力をつけていきます。
感染しても軽症で経過することが大切です。

かぜをひいてしまったら

かぜをひいたときは、体内ではウイルスと免疫部隊との戦いがおこり、熱が発生します。またその熱によりウイルスの勢いが弱くなります。そのため熱があっても比較的元気がある場合は、解熱剤は使用せずに様子をみましょう。安静にすることも体内に備わった治癒力を高めます。かぜ薬は症状を一時的に和らげるもので、ウイルスそのものには効果はありませんので過信は禁物です。このような理由から、かぜのひきはじめは体を少し温め、ゆっくり休むことが非常に大切なこととなります。また子どもさんでは、発熱時は食欲が落ちることが多く、食欲がなくて当たり前と考えましょう。消化の良いものを少しずつとれればよいでしょう。ただし脱水を起こさないように水分補給はこまめにしてください。

生後3か月以内の子どもさんの発熱には注意!

生後数か月までの乳児は、かぜ症候群の原因となる多くのウイルスに対する母親からの移行抗体があるため、かかりにくいか、かかっても軽くすむ場合がほとんどです。
しかし生後3か月以内の乳児に発熱がある場合は特に注意が必要です。それは生後3か月以内の乳児は細菌に対して抵抗力が大変弱く、発熱の原因が細菌感染症ですと急に状態が悪化し重篤になりやすいからです。発熱早期でも細菌感染症は血液検査で疑うことができます。
また治療として抗生物質が有効です。乳児の細菌感染症は早期発見、早期治療が非常に大切となりますので、生後3か月までの子どもさんで発熱が出現した場合は、早めに小児科を受診してください。生後4か月以上1歳未満の乳児でも発熱があれば、細菌感染症の可能性も否定できませんので一度診察を受けておきましょう。

病院を直ちに受診しなくてもよい場合

咳、鼻水などがあっても、熱もなくきげんもよく食欲もあれば、様子を見てもよいでしょう。また1歳以上の子どもさんでは急に発熱が出現しても、元気がある、笑う、おもちゃで遊ぶ、食欲が少し落ちていても水分は十分とれているなど比較的全身状態が良い時は、直ちに受診しなくてもよい場合がほとんどです。ただし発熱した場合などは夜間に急に高熱となり心配な場合がありますので、一度診察時間内にみてもらっておくと安心です。かぜ症状が続き比較的元気がある場合でも、4日以上の高熱が持続するようであれば肺炎などになっている可能性もありますので再度診察を受けてください。

病院を直ちに受診しないといけない場合

発熱の有無にかかわらず、元気がない、ぐったりしている、ミルク・母乳を飲まない、水分をほとんどとらない、苦しそうで呼吸が速い、顔色が悪い、表情が乏しい、便に血が混じっているなどの症状は、単なる"かぜ"などではなく重篤な病気の可能性があります。このような場合は直ちに病院を受診してください。

細気管支炎

かぜ症候群の中で冬に多く2歳未満の乳幼児がかかりやすく注意を要するものが"細気管支炎"です。原因の多くはRSウイルスによる感染です。特に1歳未満の子どもさんがかかると気管支の奥の細い部分において空気の通りが悪くなり、ひどい咳がでるようになり、急に状態が悪化することがあります。呼吸が速くなり、ゼーゼー、ヒューヒューの音が強くなり息苦しそうなとき、胸やおなかをペコペコさせて息をしている、顔色がよくない、母乳やミルクののみが悪いときは夜間でも休日でも急いで診察を受けてください。

インフルエンザ

インフルエンザは普通のかぜ症候群と比べて症状が激しく、高熱となることが多く、肺炎のみならず子どもさんでは脳症など重篤な合併症を引き起こすことがあり"かぜ症候群"とは区別されています。急激な発熱と寒気、のどの痛み、咳、鼻水以外にも関節痛、筋肉痛、全身のだるさなどの症状が認められます。鼻汁などにより早期に診断ができ、また発病早期に内服すれば有効な薬がありますので、疑いがあれば早めに受診してください。インフルエンザと診断されれば、解熱するまでは安静とし、水分を十分補給してあげましょう。3~4日たっても熱が下がらず、咳や痰がひどくなるようであれば、早めに再度受診しましょう。

インフルエンザワクチン

インフルエンザで重くなりやすいのは、幼児、老人です。集団生活をしている保育園児、幼稚園児などは流行すると感染しやすいため、予防接種をしておくと良いでしょう。現在使用されているインフルエンザワクチンの1歳以上6歳未満における有効率(発病阻止効果)は約20~30%ですので、接種すればかからないわけではなく流行すれば約7割はかかってしまう可能性があります。効果が非常に良いワクチンではありませんので、接種により肺炎、脳症などの重篤となる場合を少しでも少なくすることを期待して接種を行っているのが現状です。もちろん流行期には感染しないため、うがい、手洗い、人ごみを避ける、十分な睡眠、バランスの取れた食事摂取などはインフルエンザ感染予防の上で大変重要なことです。

解熱剤(坐薬、飲み薬)使用の注意点

解熱剤は発熱があれば使用するのではなく、高熱で機嫌の悪いとき、夜間発熱で睡眠が十分取れないときなどに使用しましょう。発熱は病気を治そうとする体の重要な反応ですので、比較的元気であればなるべく使用せずに様子をみましょう。使用する場合は小児には効き目は比較的弱いのですが、安心して使用できる小児用の解熱剤(成分はアセトアミノフェン)を医師の指示量、または市販薬では年齢にあった記載量で使用してください。

冷却ジェルシート、氷のう使用時の注意点

冷却ジェルシート、氷のう自体が病気を治すわけではありません。発熱時少しでも体を安静にできれば病気は治りやすくなります。逆に子どもさんに嫌がることをすれば、安静が保てず治癒力を弱めます。冷却ジェルシート、氷のうは子どもさんに強制はせず、使用により気持ちがよさそうであれば使用しましょう。また冷却ジェルシートは何回も張り替えていると、粘着力が落ちて額からはがれて鼻をふさいで窒息を起こすことがあります。同じものを何回も貼り直すことはやめましょう。

感染性胃腸炎(いわゆる"胃腸かぜ")

感染性胃腸炎の原因は、胃腸で増殖しやすいウイルス、細菌などによる感染です。ウイルスでは、ノロウイルス、ロタウイルス(この2つは冬に流行します)、アデノウイルスなど種々のウイルス、細菌では病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクターなどにより引き起こされます。
下痢の回数が多くても嘔吐がなければ、全身状態が悪化することは少ないのですが、感染性胃腸炎で注意すべきことは、頻回の嘔吐を伴う場合です。大人と比較して乳幼児では体内の水分量が多いため嘔吐により、容易に脱水に陥りやすいからです。
 何度も吐いて元気がない、くちびるや口の中が乾いている、尿量が少ない時は脱水症状のサインです。直ちに受診しましょう。また嘔吐がなくても便中に血が混ざっている場合は細菌性腸炎の可能性がありますので早めに病院などを受診してください。

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