●市議会の活動

【 意見書】

平成18年意見書案第2号

 出資法の上限金利の引き下げ等、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」及び「貸金業の規制等に関する法律」の改正を求める意見書(案)
 今日、破産申し立て件数は、平成14年に20万件を突破して以来、平成15年24万件、平成16年21万件と依然として高水準にある。
 消費者金融・クレジット・商工ローン等で多額の債務を負い返済困難に陥った多重債務者や中小零細事業者が主で、リストラ・倒産による失業や収入減・生活苦・低所得などを理由とする「不況型」「生活苦型」自己破産が大半を占めている現状がある。
 また、警察庁の統計によれば、平成15年度の経済的理由による自殺者は8,897人にものぼり、さらにこの多重債務問題が、ホームレス、離婚、配偶者間暴力、児童虐待、犯罪等の被害を引き起こす要因になっているケースも多く、依然として深刻な社会問題である。
 多重債務者を生み出す大きな要因の一つに「高金利」があげられる。
 現在、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下、「出資法」という)上の、上限金利は年29.2%であり、ほとんどの貸金業者等がこの出資法の上限金利で営業している。
 この出資法の上限金利については、平成15年7月、ヤミ金融対策法(貸金業の規制等に関する法律(以下、「貸金業規制法」という)及び出資法の一部改正法)制定の際、同法施行後3年をめどに見直すこととされ、その時期は平成19年1月とされている。
 現在、わが国の公定歩合は年0.10%、銀行の貸出約定平均金利は年2%以下という超低金利状況下であるにもかかわらず、年29.2%という出資法の上限金利は異常なまでに高金利である。
 金融庁広報中央委員会が実施した世論調査によれば貯蓄のない家庭が2割を占める等、いまだ一般市民には生活の豊かさが感じ取れない。年収が200万円、100万円台であったり、多くの人がパート労働・契約社員等で収入の安定が確保できない環境のもとにさらされているのが実情である。突発的な資金需要、病気・けが等により働き手に何かあれば借金せざるを得ず、出資法上の異常なまでの高金利で借り入れをすれば、だれでも家計が圧迫され返済困難に陥るのは目に見えている。
  リストラ・倒産による失業や収入減等、厳しい経済情勢の中であえぐ一般市民が安心して生活できる消費者信用市場の構築と、多重債務問題の抜本的解決のためには、出資法の上限金利を、少なくとも、利息制限法の制限金利まで早急に引き下げることが必要である。
 一方、貸金業規制法第43条は、債務者が利息制限法の制限を超える利息を「任意に」支払った場合に、貸金業者が法定の契約書面及び受取書面を適切に交付していた場合に限りこれを有効な利息の支払いと「みなす」と規定している。  しかし、厳格な条件を満たした場合に認められるとはいえ、この利息制限法の例外を認める、いわゆる「みなし弁済規定」の存在が貸金業者等の利息制限法違反金利(民事上無効)での貸し付けを助長し多くの多重債務者を生み出しているのである。
 また、利息制限法は経済的に弱い立場に置かれた人々を暴利取得から保護することをその立法趣旨とする強行法規であり、その例外として暴利取得を認めるような貸金業規制法第43条は、その立法趣旨に反し、また、「資金需要者の利益の保護を図る」という貸金業規制法自体の目的規定とも相容れないものといえる。
 従って、貸金業規制法第43条はもはやその存在意義を欠くものであり、出資法の上限金利の引き下げに伴い、撤廃すべきである。
 同様に、出資法附則に定める日賦貸金業者(日掛け金融)については、その返済手段が多様化している今日において、集金による毎日の返済という形態の必要性が失われていること、また、厳格に要件を守らず違反行為が横行し悪質取り立ての温床にもなっていること等から、その存在意義自体を認める必要性はなく日賦貸金業者(日掛け金融)に認められている年54.75%という特例金利は直ちに廃止する必要がある。
 また、電話加入権が財産的価値をなくしつつある今日、電話担保金融の特例金利を認める社会的・経済的需要は極めて低く、この年54.75%という特例金利も直ちに廃止すべきである。
 よって、政府及び国会においては、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」及び「貸金業の規制等に関する法律」を下記のとおり改正するよう強く要請する。
                      記
第1 「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」の改正につき (1)現行法の上限金利を利息制限法の制限金利まで引き下げること。
(2) 現行法における日賦貸金業者及び電話担保金融に対する特例金利を廃止すること。
第2 「貸金業の規制等に関する法律」の改正につき
(1)現行法第43条のみなし弁済規定を撤廃すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成18年3月22日

                                  江南市議会
提出先
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 金融・経済財政政策担当大臣
  総務大臣 法務大臣